冬でも半袖半ズボン!?触覚過敏の子どもが“服を選べない”本当の理由と支援の工夫
はじめに(保護者のよくある悩みから導入)
「寒いのにコートを着てくれない…」
「毎日同じTシャツじゃないとパニックになる」
「ズボンのタグが当たるだけで大騒ぎ!」
そんな“服にまつわる困りごと”でお悩みの保護者の方は、決して少なくありません。
実はそれ、触覚過敏(しょっかくかびん)が関係しているかもしれません。
今回は理学療法士の視点から、
「なぜ服を嫌がるのか?」
「どう関わればよいのか?」
をご紹介していきます。
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触覚過敏とは?脳が感じすぎてしまう状態
触覚とは、皮膚や体の表面で「さわる」「こすれる」「押される」といった刺激を感じる感覚です。
私たちは無意識のうちに触覚を使いながら、服を着たり、他人と接したりしていますが、
触覚過敏があると “普通の刺激”が“強すぎる刺激”として脳に届いてしまう 状態になります。
触覚過敏の子は、こんな風に感じています:
- 軽く触れただけでも チクチク痛い
- 風が当たると ゾワッとして落ち着かない
- 服の縫い目やタグが 鋭い刃物のように感じる
このような状態では、「服を着る」という行為そのものが 毎回“拷問”のように感じられる ことすらあります。
なぜ服が着られない?子どもたちの“見えない苦しさ”
一見すると、ただの「こだわり」や「気まぐれ」にも見える行動。
しかし、子どもたちは“自分なりに最大限、感覚の苦しさに耐えて”行動しています。
よくあるケース:
- 「冬でも半袖半ズボン」
→ 長袖が肌に触れる感覚が苦痛
→ 素肌に直接風が当たるほうがマシと感じる - 「特定のTシャツしか着ない」
→ それ以外の素材は“異物”のような刺激 - 「ズボンがはけない」
→ ウエストや太ももに触れる圧が不快、またはこそばゆさがつらい
子どもたちは言葉にできないながらも、感覚の世界で「どうしたら落ち着けるか」を模索しているのです。

よくある具体例と行動の背景
| 行動 | 背景にある触覚の特性 |
|---|---|
| 毎日同じ服しか着ない | 安心できる触り心地を求めている |
| タグを切らないと着られない | 特定部位への触れ方に過敏 |
| コートや上着を嫌がる | 重ね着の“違和感”に耐えられない |
| 新しい服はパニック | 初めての素材や感触に防衛反応 |
| パジャマすら脱ぎたがらない | 着替えそのものがストレスに |
このような行動があっても、決して“わがまま”ではありません。
脳の“感覚フィルター”が未成熟なことによる、正真正銘の“困りごと”なのです。
家庭でできる触覚の支援方法
1. 無理に着せない、安心を優先
「季節だから」「周りの目があるから」と無理に着せるのではなく、まずは子どもが落ち着ける選択肢を尊重しましょう。
2. 素材を選んであげる
- 綿100%
- 縫い目が少ない無縫製
- タグが外についているもの(または切る)
3. 「服に慣れる」遊びを取り入れる
- タオルくぐりやふわふわ布のかくれんぼ
- スライムや寒天遊びで皮膚刺激の“基礎慣れ”
- 手や腕に「やさしく触れるマッサージ」
4. 触覚以外の感覚を通して安心を作る
触覚過敏のある子でも、前庭覚(バランス感覚)や固有受容覚(筋肉・関節の感覚)から落ち着けることがあります。
例:
- 重めのブランケットで落ち着く
- 軽いジャンプやクマ歩きで自分を感じる
- ぎゅーっと抱っこしてもらうと安心

実際の支援現場より(どれみのびじょんでの取り組み)
当スタジオ「どれみのびじょん」では、服の感覚に困っているお子さんに対して、以下のような支援を行っています。
アプローチ例:
- まずは“身体全体で感じる遊び”からスタート
→ トンネルくぐり、おにぎりごろごろ、新聞くぐり など - 触覚と前庭覚を組み合わせる
→ クッションの上でゴロゴロ/ふわふわマットに包まれて動く - 本人が“好き”と思える素材を一緒に探す
→ お気に入りのタオルや服を療育に取り入れ、“安心の土台”に
保護者の声:服が選べるようになった日
「タグのないシャツしか着られなかった息子が、今では“自分で選んだ新しい服”を着て出かけられるようになりました」
(小2 男児の保護者)「どうしてもコートを着てくれず心配でしたが、今では“これは気持ちいい”と判断できるようになり、厚手のパーカーを自分で選んでくれました」
(年長 女児の保護者)
子どもたちは、小さな成功体験を重ねながら、“感覚の自己理解”と“コントロール”を少しずつ学んでいきます。

理学療法士と看護師だからできる支援のかたち
「どれみのびじょん」は、理学療法士の私(石川隆志)と、看護師の妻(石川まゆみ)で運営しています。
- 理学療法士として:身体感覚・感覚統合の専門支援
- 看護師として:日常生活・発達・心の不安への寄り添い
それぞれの専門性を活かしながら、「その子に合った支援のかたち」を一緒に探していきます。
まとめ:大人の理解が“安心して着られる”第一歩
「寒いのにどうして着ないの?」
「またその服?他のも着てよ」
そう言いたくなる気持ちも、親としてよくわかります。
でもその前に、「この子はどんな感覚を感じているんだろう?」と、感覚のフィルターを通して見てみることが、支援の第一歩です。
無理やりではなく、
“その子が安心して着られる”環境を一緒につくっていきましょう。
どれみのびじょん
横浜市鶴見区|ビジョントレーニング・感覚統合・原始反射統合
理学療法士と看護師がタッグを組んで、お子さまとご家族に寄り添います。

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