【家庭でできる!】原始反射統合エクササイズ特集!理学療法士が解説
こんにちは!
「子育てのみかた どれみのびじょん」理学療法士の石川隆志です。
今回は、【家庭でできる原始反射統合エクササイズ特集】をお送りします!
お子さんの発達にとってとても大切な原始反射の統合を、おうちで楽しく進める方法をわかりやすくご紹介していきます。
1. なぜ原始反射統合エクササイズが必要なの?
原始反射とは、赤ちゃんが生まれつき持っている本能的な反応です。
本来は成長とともに自然に統合されるべきものですが、
もし統合されないまま残ってしまうと──
- 姿勢が崩れやすい
- 集中力が続きにくい
- 書く・読む・運動が苦手
- 不安感や感覚過敏が出やすい
といった「発達上のつまずき」が起きやすくなります。
原始反射統合エクササイズを行うことで、こうした困りごとの土台から改善を目指すことができるのです!

2. エクササイズを始める前に大切な注意点
【必ず守ってほしいポイント】
- 無理をしない!
→ お子さんのペースを最優先に。 - 楽しみながら行う!
→ 遊び感覚で笑顔で続けましょう。 - 短時間でもOK!
→ 1日5〜10分、毎日コツコツ積み重ねることが大切。 - できたところをほめる!
→ 成功体験を積み重ねることで、自己肯定感も育ちます。
【準備するとよいもの】
- 柔らかめのマット(床に敷いて安全に)
- 小さなボールや羽
- タイマー(時間を区切るため)
3. 主要な原始反射別エクササイズ紹介
ここからは、代表的な原始反射ごとに、家庭でできるエクササイズを詳しく紹介していきます!
3-1. モロー反射統合エクササイズ
目的
モロー反射(驚き反射)を穏やかに統合し、不安感や過敏性を和らげます。
やり方
- 仰向けに寝ます。
- 両手を胸の前でクロスさせます(ハグの形)。
- 息を吸いながら両手を大きく開き、吐きながらまたクロスして抱きしめます。
- ゆっくり呼吸に合わせて、10回繰り返します。
ポイント
- 深くゆっくり呼吸しながら行う。
- 急がず、リラックスして行う。
3-2. 非対称性緊張性頸反射(ATNR)統合エクササイズ
目的
ATNR(頭の向きによる手足の伸び縮み反応)を統合し、書字や運動のしやすさを高めます。
やり方
- うつぶせの姿勢になります。
- 頭を右に向けたら、右手足を曲げ、左手足を伸ばします。
- 頭を左に向けたら、左手足を曲げ、右手足を伸ばします。
- ゆっくり左右交互に繰り返します。(10回ずつ)

ポイント
- 呼吸を止めずに。
- ゆっくり動かすことを意識する。
3-3. 対称性緊張性頸反射(STNR)統合エクササイズ
目的
STNR(頭の上下による手足の伸び縮み反応)を統合し、座位保持や学習姿勢を安定させます。
やり方
- 四つ這いの姿勢をとります。
- 頭を上に上げながら背中をそらします。
- 頭を下に下げながら背中を曲げます。
- これを10回繰り返します。

ポイント
- ゆっくり丁寧に。
- 腰が反りすぎないよう注意。
3-4. 緊張性迷路反射(TLR)統合エクササイズ
目的
TLR(頭の動きによる全身の伸び縮み反応)を統合し、バランス感覚を整えます。
やり方
- フローリングやマットの上にクッション・枕・柔らかいおもちゃなどを「石」のように置きます
- バランスを取りながらそれらの上を歩いて渡っていきます
- 頭の上下動を意識せず、自然な視線移動ができるように
ポイント
- 腰に負担がかからないよう注意。
- 難しい場合は、できる範囲でOK。
3-5. 手掌把握反射統合エクササイズ
目的
手掌把握反射(手に触れると握る反応)を統合し、手先の器用さを育てます。
やり方
- 小さなボールを手のひらで転がします。
- 手の力を抜いたり、少し握ったりする感覚を楽しみます。
- 両手交互に行います。(各手2〜3分ずつ)
ポイント
- 楽しみながらリズムよく。
- 力を入れすぎないように。
3-6.その他の原始反射統合や感覚統合を目的とした遊び

【運動の種類】
クマ歩き(四つんばいでお尻を高く上げて歩く)
【どのような方にオススメか?】
空間把握が苦手、物にぶつかりやすいお子さんにおすすめです。
【実施にあたっての注意点】
手と足の動きがバラバラにならないよう、リズムよくゆっくり行います。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
周囲との距離感がつかめずぶつかる、動きにぎこちなさがある場合に有効です。
【どのような効果があるか】
バランス感覚や身体の左右協調を育て、視空間認知力を高めます。

【運動の種類】
ワニ歩き(腹ばいになって両手両足で進む遊び)
【どのような方にオススメか?】
姿勢が崩れやすい、集中力が続かないお子さんにおすすめです。
【実施にあたっての注意点】
床が滑らないよう安全に配慮し、ゆっくりと全身を使って行いましょう。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
座っていられない、姿勢保持が苦手、字を書くときにふらつくなどの悩みに効果的です。
【どのような効果があるか】
体幹と眼の協調を高め、原始反射の統合を促し、学習姿勢の安定に繋がります。

【運動の種類】
目隠し鬼ごっこ(アイマスクをして音や感触で相手を探す)
【どのような方にオススメか?】
視覚以外の感覚が育ちにくいお子さんや、感覚の過敏・鈍麻があるお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
家具や障害物を避け、狭すぎない安全な空間で行ってください。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
視覚に頼りすぎて他の感覚が未発達なケースにおすすめです。
【どのような効果があるか】
聴覚や触覚の活性化により、感覚のバランスが整い、集中力や注意力が高まります。

【運動の種類】
手押し相撲(腕を合わせて押し合う遊び)
【どのような方にオススメか?】
姿勢が崩れやすい、力加減が難しいお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
立って行う場合は、転倒に注意して後ろにマットを敷くと安心です。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
力の調整ができない、すぐに疲れてしまう場合に。
【どのような効果があるか】
身体の軸が安定し、体幹と空間認知のバランスが整います。

【運動の種類】
ぬいぐるみキャッチ(目を閉じて投げられたぬいぐるみをキャッチ)
【どのような方にオススメか?】
物を目で追うのが苦手、反応が遅いお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
軽くて柔らかいものを使い、最初は距離を近く設定します。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
ボールをよく見失う、反応が鈍い場合に。
【どのような効果があるか】
目と手の連携(視覚運動協応)と反応速度の向上に効果的です。

【運動の種類】
おにぎりごろごろ(丸まって前後左右に転がる)
【どのような方にオススメか?】
じっとしていられない、姿勢保持が難しいお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
柔らかいマットや布団の上で、安全に転がるようにしましょう。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
姿勢が崩れやすい、長時間座っていられないといった課題に。
【どのような効果があるか】
前庭感覚(バランス)や固有感覚(身体の位置感覚)を高め、落ち着きや集中を促します。

【運動の種類】
新聞くぐり(破った新聞の下をくぐる)
【どのような方にオススメか?】
狭い場所が苦手、布などの接触を嫌がるお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
くぐる時に顔や肩に触れるように配置し、無理のない範囲で遊び感覚で行いましょう。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
服や髪が顔に当たるのを嫌がる、すぐにパニックになる子に。
【どのような効果があるか】
触覚への耐性を高め、感覚刺激を受け止める力が育ちます。

【運動の種類】
寒天遊び(手で潰したり握ったり)
【どのような方にオススメか?】
触覚の過敏がある、手の感覚が鈍いお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
食紅で色を付けたり温度に変化をつけると、楽しみながら刺激の幅が広がります。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
触るのが苦手、手を使った遊びに抵抗がある子に。
【どのような効果があるか】
触覚への適度な刺激で感覚の調整力が育ち、手作業の土台になります。

【運動の種類】
新聞ビリビリ(新聞紙を破って遊ぶ)
【どのような方にオススメか?】
指先が不器用、筆圧が弱いお子さんにぴったりです。
【実施にあたっての注意点】
破る際に指先だけでなく手全体を使って行いましょう。音に敏感な子は量を調整。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
文字を書く時に力加減が難しい、手の動きがぎこちない場合に。
【どのような効果があるか】
触覚刺激と細かい手の操作感覚を育み、視覚―手の協調(視覚運動協応)に効果的です。

【運動の種類】
スライム遊び(手でこねたり、引っ張ったりして遊ぶ)
【どのような方にオススメか?】
手先が不器用、触るのを嫌がる・触りすぎるなど触覚に偏りのあるお子さんに。
【実施にあたっての注意点】
触覚の過敏が強い場合は寒天や片栗粉スライムなど、やさしい感触から始めましょう。
【どのような困りごとの解決に最適か?】
手を使った作業が苦手、手洗いや服のタグを嫌がるなど日常生活で困り感がある場合に。
【どのような効果があるか】
触覚の過敏・鈍麻のバランスを整え、手先の感覚や集中力の向上が期待できます。

4. 毎日の取り組み方
【おすすめスケジュール】
- 時間:1日5〜10分で十分!
- 頻度:できれば毎日、少なくとも週4〜5回
- タイミング:朝起きたあと、夕方のリラックスタイムなど
【コツ】
- 「完璧にやる」より「楽しく続ける」ことが大事
- できたことをたくさん褒める
- お子さんが嫌がる日は無理せず休む
5. 実際の家庭での取り組み事例
【事例1】落ち着きがなかった小1男子
取り組み内容
- モロー反射エクササイズを朝の日課に。
- 羽キャッチゲームで追視力もアップ。
変化
- 学校での集中力が向上。
- 音への過敏さが軽減!
【事例2】書字が苦手だった小2女子
取り組み内容
- ATNR統合エクササイズを毎晩10分。
- ビジョントレーニングも併用。
変化
- ノートが整い、先生からも「字がきれいになったね!」と褒められた。

6. どれみのびじょんの取り組み
「どれみのびじょん」では、
理学療法士と看護師の専門的な視点から、
- 原始反射統合支援
- 感覚統合支援
- ビジョントレーニング
- 心と体の発達サポート
を総合的に行っています。
単なるエクササイズだけでなく、
お子さん一人ひとりに寄り添ったオーダーメイド支援を大切にしています。
まとめ
原始反射統合エクササイズは、
お子さんの発達の土台を整えるとても大切な取り組みです。
家庭でも無理なく続けられる方法を取り入れて、
「できた!」をたくさん積み重ねていきましょう!
どれみのびじょんでは、専門的な知識に基づいて、
お子さんと親御さんを全力でサポートしています。
どうぞお気軽にご相談ください!

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