【小学生の板書が遅い、黒板の字が写せないときに疑うべきポイント】
~視覚機能の視点からの視覚発達の遅れとサポート方法~
こんにちは!
「子育てのみかた どれみのびじょん」理学療法士の石川隆志です。
「うちの子、ノートに書くのがとにかく遅くて…」
「黒板の字が写せなくて、授業についていけない」
「書き写すのに時間がかかって、途中であきらめてしまう」
こんなお悩みをもつ親御さんから、よくご相談をいただきます。
でも実はその背景には、
視力ではなく“視覚の発達”の遅れが隠れていることがあるのです。

1. 「視力がいい=見る力がある」ではない
「視力検査では1.2。でも板書ができない…なぜ?」
それは、視力と視覚の力はまったく別物だからです。
視力:目のカメラ機能(焦点を合わせる力)
視覚:見たものを脳で処理し、理解・記憶・再現する力
板書に必要なのは後者の“視覚の力”です。
2. 板書に必要な“視覚の力”とは?
板書は、大人が思っている以上に複雑な作業です。
① 視線のジャンプ力(注視・サッケード)
黒板 → ノート → 黒板 → ノート…と視線を瞬時に切り替える力
② 視覚記憶
見た文字や言葉を一時的に記憶し、ノートに再現する力
③ 空間認知・配置把握
ノートの中に文字を整えて書く力
④ 視運動協応
見た情報をもとに、手で書く動作にスムーズにつなげる力

3. 「板書が遅い子」の背景にある3つの視覚発達の課題
① 視線のコントロールが苦手
- 黒板→ノートの視線移動がうまくいかない
- どこを見ていたのか分からなくなってしまう
② 文字を覚えていられない
- 一時的な視覚記憶が弱く、1~2文字ずつしか覚えられない
- 結果として時間がかかる
③ 手と目の連携が不安定
- 書くときに目で見た形と手の動きが一致しない
- 形が崩れたり、マスからはみ出したりする
4. 家庭でできる“見る力”を育てるビジョントレーニング3選
① ふわふわ羽キャッチ(追視力アップ)
やり方:
- ティッシュや羽をふわっと投げて、目で追いながらキャッチ!
ねらい:
- 視線のなめらかな移動(追視)を育てる
- 見る→動くの連携力アップ
- 板書で黒板→ノートの目の動きを助ける
② 図形なぞり&まねっこ描き(視覚記憶強化)
やり方:
- 簡単な図形や模様を数秒見せて、隠して描かせる
ねらい:
- 一時的な視覚記憶を育てる
- 黒板で見た文字を頭の中に残す力を育む
③ マスあそび文字(空間認知・視運動協応)
やり方:
- 単語をマスの中におさまるように丁寧に書くゲーム形式
- マスを「右上だけに書いてみよう」など難易度調整も可
ねらい:
- 目と手の連携を整える
- 書字中の「整える力」向上に

5. 実際の支援事例
小3男子:「板書が苦手…」から「書ける自信」に
Before:
- 板書に時間がかかり、半分しか写せない
- 書き写しがイヤで授業に集中できない
支援内容:
- 視線ジャンプ・視覚記憶・空間認知のトレーニングを週1回
- 家では羽キャッチ・図形まねっこを親子で実施
- 学校では席の位置と板書内容の工夫を提案
After(2ヶ月後):
- 視線の移動がスムーズに!
- 「もう黒板苦手じゃないよ」と笑顔で発言
保護者の声:
「視力は問題ないと思っていたけど、“見る力”のことを知って納得しました。今では“書ける!”という自信がついてきたようです。」
6. まとめ
板書が苦手な子どもに対して、
「集中力がない」「見ていない」と決めつけるのではなく、
“視覚発達の土台”が整っているかを見てあげることが大切です。
- 視線移動
- 視覚記憶
- 空間認知
- 視運動協応
これらを家庭でも育てていくことで、
お子さんの「書ける!」という体験が、学習の自信と意欲につながっていきます。

どれみのびじょんの支援スタイル
私たちは、
- 理学療法士と看護師がチームで連携し、
- 感覚統合・視覚発達・原始反射統合の観点から
- 一人ひとりの「困った」の背景を丁寧に評価・支援しています。
視覚機能は、学習の土台。
だからこそ、私たちは「見る力」を育てる支援を大切にしています。
どれみのびじょんでは子供達の個性や状態に合わせて適切なプログラムを立案します。
どれみのびじょんではお子さんの状態に合わせて視覚機能の向上や感覚統合や原始反射統合や療育整体などを包括的にアプローチすることでより効果的な効果を得ることができます。
子供達が楽しく、意欲的にレッスンをすることが脳の活性化につながります。
それがお子様の大きな成長につながっていきます。どれみのびじょんは楽しみながらレッスンを行えることを大切にしています。


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