目が合わないお子さんと接するコツ
焦らずできるコミュニケーション法
こんにちは!
「子育てのみかた どれみのびじょん」理学療法士の石川隆志です。
「うちの子、目が合わないんです」
「呼びかけても、そらすようにして視線を合わせてくれない…」
「発達に問題があるのでは?」と心配される方は少なくありません。
でも実は、「目が合わない」ことにはさまざまな理由があり、
焦らず・否定せず・“今のその子に合った関わり”をすることで、
少しずつ目が合う時間が増えていくことがよくあります。

1. 「目が合わない」はすべて発達障害なの?
答えは NO です。
確かに、自閉スペクトラム症(ASD)などでは「視線が合いにくい」傾向が見られることもありますが、
それだけが発達の判断材料になるわけではありません。
視線が合わない原因として考えられること
- 視線を合わせるのが不安・緊張する(情緒的な要因)
- 顔を見るのが苦手(視覚処理や感覚過敏)
- 注意の切り替えが苦手(発達の特性)
- 原始反射の残存(モロー反射など)による不安定さ
子どもにとって、「目を見る=心を開くこと」であり、
それはとても勇気がいる行為でもあります。
2. 目が合わない子が持つ“感覚の特性”
■ 視覚過敏
- 視線がぶつかることで「強すぎる刺激」に感じる
- 特に、親や先生など“関係が深い人”ほどストレスになることも
■ 感覚統合の未発達
- 顔の中でも「目」だけを見て他を無視するのが苦手
- 情報が多すぎて混乱しやすい
■ 原始反射(モロー反射・恐怖麻痺反射など)
- 視線が合ったときに、無意識に“身の危険”を感じてしまう
- 緊張が走り、視線を逸らすことで自己防衛をしている

3. 視線が合わない子への接し方のコツ
コツ①:無理に目を見させようとしない
- 「こっち見て!」「ちゃんと目を見て話しなさい」はNGワード
- 視線が合わない=コミュニケーションが成立しないわけではありません
- 目以外(肩・手・背中)を通じた関わりでも信頼は築けます
コツ②:視線が合った“瞬間”を大切にする
- 目が合った時、「今、目が合ったね!嬉しいな」と笑顔でフィードバック
- 短くても“成功体験”として残していくことで、「視線=安心」の記憶が形成されます
コツ③:遊びながら自然にアイコンタクトへ
- 遊びややりとりの中に“視線が合うきっかけ”をちょこっと入れてみましょう
- 無理なく、楽しく、気づいたら目が合っていた…それが理想です!
4. 視線を育てる遊び感覚トレーニング3選
① 「ぬいぐるみキャッチボール」
やり方:
- 向かい合ってぬいぐるみを投げ合う
- キャッチしたときに目を合わせて「ありがとう!」
ねらい:
- タイミングの中で自然に視線が合う
- “見ても大丈夫”な感覚づくり
② 「目が合ったらニコッゲーム」
やり方:
- 向かい合って、誰かと目が合ったらニコッと笑う
- 目をそらしていたら何もなし、視線が合えば笑顔で反応!
ねらい:
- 目を見る→笑顔が返ってくる→安心・嬉しい!を学習
- 情緒と感覚をつなぐ
③ 「そっとのぞき見ごっこ」
やり方:
- ダンボールやタオルで隠れて、チラッとお互いを見る遊び
- 視線を“全部”じゃなく“ちょっとずつ”経験できる
ねらい:
- 視線に対するハードルを下げる
- 自分で“見よう”とする気持ちを引き出す

5. 実際の支援事例
年長女児:「目が合わず、話しかけられると固まっていた子が…」
Before:
- 呼びかけに反応はあるが、顔をそむける
- 人とのやり取りを避けがちで、集団でも浮いてしまっていた
支援内容:
- モロー反射の統合を意識したゆらぎ遊び(おにぎりごろごろなど)
- そっと見る遊び・アイコンタクト遊びを親子で実践
- 「目が合った瞬間」を喜んで受けとめることを意識
After(3ヶ月後):
- 自分からぬいぐるみを持って「一緒にやろう」と誘う姿が
- 徐々に視線が合う時間も増え、親子のやりとりに笑顔が!
保護者の声:
「“見てくれない”ことにばかり注目していたけれど、“安心できる関係”の方が大事だったんですね。」
6. まとめ
子どもが目を合わせられないとき、
それは「まだ見れない」=発達の途中かもしれません。
- 無理に合わせさせようとしない
- 見てくれた“瞬間”を一緒に喜ぶ
- 遊びを通じて“見ても安心”な経験を増やす
そんな積み重ねが、自然なアイコンタクトを育ててくれます。

どれみのびじょんの支援スタイル
私たちは、
- 視覚発達・感覚統合・原始反射の視点から
- 子どもの「見れない理由」に寄り添い、
- 一人ひとりに合った関わりとトレーニングを提案しています。
視線が合うことは、“関係性の入り口”でもあります。
焦らず、優しく、信頼関係の芽を育てていきましょう。

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