“読み書きが苦手”の正体とは?
視覚認知と感覚統合の関係を理学療法士が解説します
こんにちは!
「子育てのみかた どれみのびじょん」理学療法士の石川隆志です。
「うちの子、字を書くのが苦手で…」
「音読がたどたどしくて心配です」
「書いた文字がマスからはみ出してしまうんです」
保護者の方から、こうしたお悩みをよくいただきます。
それらの多くは、“視覚認知”と“感覚統合”の発達”が深く関わっているのです。

1. 読み書きが苦手な子によくある特徴
【読みの困りごと】
- 行を飛ばして読む
- 文字の形や位置を覚えにくい
- 読み終わるのに時間がかかる
- 音読がぎこちない
【書きの困りごと】
- マスからはみ出す
- 字のバランスが崩れる
- 書き間違いが多い
- 書くのが遅い
これらの背景には、“見る力”と“身体の感覚”の未成熟が潜んでいることが多いのです。
2. 視覚認知とは?
視覚認知とは、ただ「目で見る」ことではなく、
「見たものを脳で処理し、理解し、記憶し、再現する力」のことです。
この視覚認知には、さまざまな要素があります。
■ 視覚記憶
→ 見た形を覚えておく力
■ 視空間認知
→ 形の位置や方向、配置を捉える力
■ 視運動協応
→ 見た情報をもとに手を動かす力(書く・操作する)

3. 視覚認知と感覚統合の関係
実はこの視覚認知の土台には、
「感覚統合」の力が大きく関わっています。
- 姿勢を安定させる前庭感覚・固有感覚
- 触覚の敏感さによる鉛筆操作の苦手
- 原始反射が残っていることによる視線の不安定さ
これらが組み合わさることで、
「読むのが苦手」「書くのが苦手」という状態になってしまうのです。
4. 視覚認知の困りごと別アプローチ方法
ここからは、読み書きの困りごとに合わせた家庭での支援例をご紹介します。
【1】視覚記憶が弱い子への支援
■ 例:
- 漢字の形をすぐ忘れる
- 書くときに何度も見直す
■ アプローチ:
- 見て→隠して→思い出して書く「まねっこトレース」遊び
- フラッシュカードを使って形を楽しく記憶
【2】視空間認知が弱い子への支援
■ 例:
- 字の大きさや位置がバラバラ
- 図形の模写が苦手
■ アプローチ:
- ブロックや積み木を使って形・配置を学ぶ
- 「間違い探し」や「迷路遊び」で空間感覚を育てる
【3】視運動協応が弱い子への支援
■ 例:
- ノートの枠内に書けない
- 書くときに姿勢が崩れる
■ アプローチ:
- 指先ジャンプ(視線ジャンプ+手の動き)
- なぞり書き&模写遊びで目と手の連動を練習

5. 支援事例紹介(どれみのびじょんより)
小2男子:書くことが嫌いだったけど…
Before:
- ノートの字がはみ出し、消しゴムで何度も消してイライラ
- 漢字テストでは毎回形のミスが多い
取り組み内容:
- 原始反射チェック → STNR・ATNR残存あり
- 姿勢保持+視覚記憶トレーニング+鉛筆操作遊びを組み合わせて支援
After(3ヶ月後):
- 書くスピードが上がり、枠に収まるように!
- 「見なくても書けた!」と本人も嬉しそうに
保護者の声:
「“書く”という作業がこんなに感覚とつながっていたなんて…先生の説明がとても腑に落ちました!」
6. まとめ
「読み書きが苦手」というのは、
決して“怠け”や“能力不足”ではありません。
それは、
目・身体・脳の連携がまだうまくいっていないだけかもしれないのです。
そして、視覚認知や感覚統合は、
トレーニングと日々の遊びの中でしっかり育てていくことができます。

どれみのびじょんの支援スタイル
私たちは、
- 理学療法士と看護師が連携し
- 見る力・書く力・動く力を統合的に支援すること
- 「できた!」を実感できる成功体験を重ねること
を大切にしています。
「書くのが嫌い」「読むのが苦手」──
その背景にある“本当の理由”を一緒に見つけて、前向きな一歩を踏み出しましょう。

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