【横浜市鶴見区】“気になる子”への家庭での関わり方とは?
感覚統合の視点で見る声かけとサポートの工夫
こんにちは!
「子育てのみかた どれみのびじょん」理学療法士の石川隆志です。
「うちの子、ちょっと落ち着きがなくて…」
「急に怒り出したり、スイッチが切れたように黙り込んだり…」
「こだわりが強くて、予定変更があるとパニックに…」
こういった“気になる行動”に対して、
保護者の方が悩みを抱える場面は少なくありません。
今回は、こうした行動を“問題”と捉えるのではなく、
感覚統合の視点から「なぜそうなるのか?」を一緒に考え、家庭でできる声かけの工夫をお伝えします。

1. “気になる行動”は脳からのSOSサインかも?
一見すると「わがまま」「甘え」と見られてしまう行動の多くが、
実は感覚の過敏さ・鈍さ・統合の未発達による、“脳の混乱状態”からくる反応だったりします。
たとえば…
行動 | 背景にある可能性 |
---|---|
じっとしていられない | 前庭感覚・固有感覚の未統合、姿勢保持の難しさ |
音に過敏でパニックになる | 聴覚過敏、環境変化へのストレス |
こだわりが強く、順番が変わると怒る | 感覚の見通しが立たず、不安に |
人との距離感が近すぎる | 触覚や空間認知の未発達 |
これらの行動は、「困った行動」ではなく、
「困っているサイン」なのです。
2. 感覚統合の視点で見ると、“困っている理由”が見えてくる
感覚統合とは、
身体に入ってくる感覚(触覚・前庭・固有感覚など)を脳で整理し、うまく反応する力。
この統合が未熟な場合──
- 環境からの情報に圧倒される
- 身体の使い方がうまくわからない
- 自分の状態を自分でコントロールしにくい
という状況になり、結果として「気になる行動」が出やすくなります。

3. 「どう関わるか」が発達の大きな鍵になる
“気になる子”に対して、つい──
- 「やめなさい!」
- 「どうしてそんなことするの!」
- 「ちゃんとしなさい!」
と注意してしまいがちですが、それではますます緊張・混乱を招いてしまいます。
感覚からくる行動には、感覚に寄り添った関わりが必要なのです。
4. 家庭でできる!感覚統合的“声かけ”と関わり方の工夫
① 見通しを伝える
NG:「もうすぐ出かけるよ!」→ 子どもがパニックに
OK:「あと10分で出かけるよ。時計の長い針がここになったら準備しようね」
ねらい:
- 感覚処理に時間がかかる子にも安心して準備できるように
- 不安や混乱を防ぐ“感覚の予測づけ”が重要!
② 状況の説明+肯定的な選択肢を
NG:「いいかげんにしなさい!」
OK:「いま音がうるさくてつらかったね。静かな部屋に行って落ち着こうか?」
ねらい:
- 子どもの感覚の“困りごと”をまず受け止める
- 「自分で選べた」という自己決定感が安心につながる
③ “できたこと”に注目する
NG:「なんでちゃんと座れなかったの?」
OK:「最初の5分、よく座っていられたね!」
ねらい:
- 達成感→自信→次の行動意欲へつながる
- 脳に“成功体験”として記憶させていく

5. 実際の支援事例
小1男子:「気になる行動」で周囲とぶつかっていたが…
Before:
- 順番を待てない
- スイッチが切れたように黙り込んでしまう
- 感覚刺激に過敏で、すぐ泣く
支援内容:
- 感覚プロフィールを整理(聴覚過敏+固有感覚の低反応)
- スケジュール提示・静かな空間への逃げ場づくり
- 肯定的な声かけと自己決定を大切にする支援
After(3ヶ月後):
- 落ち着いて状況を確認する様子が増えた
- 学校でも「一緒にやろう」と誘われるように!
保護者の声:
「“気になる行動”の理由がわかったことで、叱る回数が激減しました」
6. まとめ
“気になる子”は、「わざと」困らせているのではなく、
“どうしたらいいかわからない”だけかもしれません。
そして、
その子の感覚や特性を理解し、関わり方を少し変えるだけで、
驚くほどスムーズに行動が変わることがあります。

どれみのびじょんの支援スタイル
私たちは、
- 理学療法士と看護師が感覚・身体・心を総合的にアセスメント
- 「気になる行動」の背景にある理由を丁寧に探ります
- 「どう関われば伸びるのか?」を保護者と一緒に考える
そんな温かい伴走型の支援を行っています。

体験レッスン実施中です!
現在どれみのびじょんでは体験レッスン受付中です。
様々な活動や意味のある遊びを通じて子供たちの発達を促していくどれみのびじょんをぜひ体験してみてください!
体験レッスンの詳細は下記リンクからご参照ください。
投稿者プロフィール

最新の投稿
投稿2025年6月29日【横浜市鶴見区】“投げる・当てる”遊びで発達が変わる!
投稿2025年6月29日【横浜市鶴見区】“気になる子”への家庭での関わり方とは? 投稿2025年6月28日【スマホ内斜視】「目が寄って見える」子どもが増加中!理学療法士が教える対策とケア 投稿2025年6月22日“読み書きが苦手”の正体とは?