【横浜市鶴見区】ADHDの原因は前頭葉機能の低下?!前頭葉機能を鍛えるトレーニング 〜発達障害の特性に対して今できることは?!〜
リハビリテーションや高次脳機能などの観点からの発達支援〜ADHDと前頭葉機能の関連性について〜
ADHDの原因として、有力な説は脳の前頭葉の働きが十分ではないため起こるという説があります。
もちろんそれだけが原因であるかどうかはわかりません。
ということは前頭葉機能を鍛えることができればADHDにて生じる困りごとを改善させることができるのではないか?私はそう考えました。実際にそのように考えでこのブログにたどり着いた方は多いのではないでしょうか?
前頭葉機能とはどういったものか?を知って今後どのように対処やアプローチをしていけばADHDの症状を軽減、克服できるのか、それらをテーマにしていきたいと思います。
今回は前頭葉やその機能、前頭葉機能の低下でどのようなことがおこるのか?また前頭葉を鍛えるためにはどんなものがいいのか?
またリハビリテーションからの観点として臨床場面などで前頭葉機能を検査する検査【FAB(Frontal Assessment Battery)】などについてご紹介させていただきます。
前頭葉は人間らしさを保つ脳の司令塔です。
前頭葉は脳の一部です。その名の通り前頭に位置し、私たちが論理的に考えたり、整理整頓したり、物事を順序立てて考えたりなどの働きを司る部分です。
前頭葉は「人が行動を開始し、または抑制する機能を司ります。」
生活をする上で必要な情報を整理、計画して処理・判断することも前頭葉の役割です。 加えて、自己を客観的に捉えることや感情を持つこと、言葉を発することができるのも、前頭葉が機能しているからです。
前頭葉の機能
前頭葉の機能は非常に多岐にわたりますが、以下にその主な機能をいくつか挙げてみます:
1.実行機能(エグゼクティブ・フロンタル・フェーズ)
前頭葉は実行機能の中心的な役割を果たします。実行機能は、計画、組織、判断、問題解決、認知的柔軟性など、高度な認知プロセスを含みます。前頭葉の損傷や発達の不全は、これらの機能の障害を引き起こす可能性があります。
2.注意の制御
前頭葉は、注意の制御と選択にも関与します。他の情報を無視して特定の情報に集中したり、複数の情報源から適切な情報を選択したりする能力が含まれます。
3.行動の制御と自己制御
前頭葉は、適切な行動の選択や自己制御を支援します。この領域の損傷は、衝動的な行動や社会的に不適切な行動などの問題行動を引き起こす可能性があります。
4.言語処理
前頭葉は、言語の生成と理解にも関与します。特に言語の意味解釈や文脈理解など、高度な言語処理に関連する機能が含まれます。
5.社会的行動とソーシャルスキル
前頭葉は、他者との関係を構築し、適切な社会的行動やソーシャルスキルを発展させるのに重要な役割を果たします。前頭葉の損傷は、社会的な不適切さやソーシャルスキルの欠如を引き起こす可能性があります。
これらの機能が連携して働いていくことが重要です。
これらの機能は、前頭葉が他の脳領域と連携して正常に機能することで発揮されます。
また前頭葉機能を理解する神経心理学的理論として
・行動抑制
・ワーキングメモリ
・実行機能
の3つが挙げられます。
行動を抑制することやワーキングメモリを鍛えること、適切に物事を実行していくことを遊びを通じて発達を促していくことも重要あると考えております。
たとえば「ダルマさんが転んだ」の遊びではタイミングよく動かない(動作を抑制=止める)ことが大切となります。
デュアルタスクで様々なことを同時に行うことはワーキングメモリを鍛えることにも繋がります。
前頭葉の働きが不十分だと…
前頭葉の機能が不十分な場合、子供たちが直面する困りごとはさまざまです。以下にその一部を挙げてみましょう。
1.実行機能の困難
前頭葉は、計画、組織、判断、意思決定などの実行機能を制御します。前頭葉の機能が不十分な場合、子供たちは日常生活でタスクを計画し、それに従うことが難しくなります。例えば、授業の準備や宿題の管理、家事の計画などが困難になる場合があります
2.注意力や集中力の欠如
前頭葉は、注意の統制や集中力の維持にも関与します。そのため、前頭葉の機能が不十分な場合、子供たちは学校や日常生活での注意力を維持することが難しくなります。対応としては、注意の向上や集中力を高めることが必要となります。
3.行動の抑制と自己制御の困難
前頭葉は、行動の抑制や自己制御を促進します。したがって、前頭葉の機能が不十分な場合、子供たちは衝動的な行動をとりやすくなります。これにより、問題行動や社会的に適切でない行動が生じる可能性があります。対応としては、適切な行動の選択や自己制御のスキルを向上させることが必要となります。
4.ソーシャルスキルの欠如
前頭葉は、他者との関係を構築し、適切なソーシャルスキルを発達させるのに重要な役割を果たします。そのため、前頭葉の機能が不十分な場合、子供たちはコミュニケーションや対人関係で問題を抱える可能性があります。対応としては、ソーシャルスキルの向上やコミュニケーション能力の強化が必要となります。
これらの困りごとに対処するために、個々の子供のニーズに合わせたアプローチが必要です。
どれみのびじょんではお子様の特性に合わせた対応を行っていくことでそれぞれの困りごとの軽減を図っていきます。
前頭葉機能の検査について
FAB(Frontal Assessment Battery)
医療やリハビリテーションの場面で用いられている前頭葉機能の検査(Frontal Assessment Battery)(以下FABといいます)をご紹介させていただきます。
FABは何を検査するの?
FABは脳の中の、前頭葉の機能を中心に評価する検査です。
①言葉の概念化(類似の把握)
問題の例:「電車」と「バス」はどこが似ているか?(答え:「乗り物」「交通機関」)
②言語流暢性
問題の例:「あいうえお」の「あ」から始まる言葉をできるだけたくさんあげてください。
③運動プログラミング
問題の例:動作の見本を見せてそれをマネしてもらう(左手をグーにして右手をパーにして左手で右手を軽くたたく等)
④干渉への感受性
問題の例:検査者が指で1回ポンとたたいたら、続けて自分の指で2回ポンポンとたたいてもらう
⑤抑制性制御
問題の例:今度は検査者が指で2回ポンポンとたたいたら、あなたはたたかないでください
⑥理解行動
問題の例:「手のひらを上にして両手を机の上にのせてください」「私の手を握らないでください」といいながら被検者の手のひらに検査者は手のひらを合わせるようにそっとつけて手を握らないでじっとしていられるかを見ます
これらを調べる6つの検査項目からなっています。
FABは小児にも行われている検査項目です。
「FABの点数は小児への前頭葉機能の評価方法としても行われており点数は10歳で歳で急激な上昇を認められた」
またADHDの特性を持つお子さんは有意に低かったという報告があります。
FABの検査項目を踏まえた遊びなどもアレンジしておこなうと面白いかもしれませんね。
前頭葉を鍛えるのは暗記科目などではダメなの?!
前頭葉を鍛えるにはどのようにすればいいのでしょうか?普段行っている勉強ではどうでしょうか?例えば英単語を覚えるなどの勉強では単純な記憶などのトレーニングはできますが、人生にまつわる選択を行うなどの思考力は、暗記などの勉強などだけでは鍛えられないのです。
前頭葉を鍛える方法:ビジョントレーニングの観点から
ビジョントレーニングは、前頭葉の機能を鍛えるのに有効な方法の一つです。以下に、ビジョントレーニングを用いた前頭葉の機能の向上について説明します:
①視覚的注意の向上
ビジョントレーニングは、視覚的注意を向上させるのに役立ちます。視覚的に複雑な課題やパズルを解くことで、前頭葉が活性化され、注意力が向上します。例えば、視覚的なマッチングゲームやパターン認識の活動が有効です。
②視覚的柔軟性の促進
ビジョントレーニングは、視覚的柔軟性を高めるのにも役立ちます。これにより、前頭葉が柔軟に情報を処理し、異なる視点から問題を解決する能力が向上します。視覚的なパターンを変化させたり、複数の視覚的情報を同時に処理するトレーニングが有効です。
③視覚的記憶と計画能力の向上
ビジョントレーニングは、視覚的刺激制御を向上させるのにも役立ちます。視覚的な刺激に対する適切な反応や対処方法を学ぶことで、前頭葉が刺激を制御する能力が向上します。視覚的な注意を切り替えるトレーニングや、視覚的な刺激に対する反応を調整するゲームが有効です。
④視覚的刺激制御のトレーニング
ビジョントレーニングは、視覚的刺激制御を向上させるのにも役立ちます。視覚的な刺激に対する適切な反応や対処方法を学ぶことで、前頭葉が刺激を制御する能力が向上します。視覚的な注意を切り替えるトレーニングや、視覚的な刺激に対する反応を調整するゲームが有効です。
これらのビジョントレーニングのアプローチを用いることで、前頭葉の機能を鍛え、認知能力や行動の制御を向上させることができます。ビジョントレーニングは、子供たちの興味や能力に合わせて様々な視覚的な活動やゲームを組み合わせることで、効果的に実施することができます。
前頭葉を鍛えるために一般的にはこのようなものが良いとされています。
①運動
全身運動は身体だけでなく脳や心にも大きな成長をもたらします。
特に適切な難易度で楽しみながら行う運動やゲームは発達支援の観点から非常に重要なものとなります。
②図画工作などの創造的な活動
自分が好きな絵を書いたり、はさみやカッターなどの工具を用いて手先を動かし創造的な活動を行っていくとで手先の巧緻性だけでなく創造的にいろいろなものを考え生み出していくことで前頭葉機能に非常によい刺激となるでしょう。
③バランスのとれた食事や良質な睡眠
もちろん規則正しい生活も非常に大切となります。
どれみのびじょんではビジョントレーニングや感覚統合や原始反射抑制などを目的とした運動療法だけでなく、療育整体により身体を整え、血流改善や神経の発達を促し、自律神経を整えることも非常に効果的であると私たちは実践の中で感じております。
以上が良い方法として挙げられます。
特にADHDをはじめ発達障害の特性を持つお子さんが前頭葉・前頭前野を鍛えるには、楽しく運動することがおすすめです。
笑うこともかなり効果があるようです。
「笑う」「いいところを探す」「しかられる」ことでも前頭前野は活性化する 「笑う」ことでも前頭前野は活性化します。 反対に、「笑わせよう」としてダジャレをひねることでも活性化します。 おもしろいことに、いろいろな人の笑顔が次々と展開するスライドショーを見るだけでも刺激を受けます。
前頭葉の活性化には「気持ちが動く」ということも大切だということですよね。
ただ叱られることでも前頭葉が活性化されるというのは初耳ですが私自身の考え方としては「大切なことをしっかりと伝えることは必要だけど叱ってしまうと脳がパニックになってしまう、萎縮してしまうことで働かなくなってしまう」そのためしかること自体は脳を活性化させるものでは無いと考えております。
結論。前頭葉の活性化のためには「楽しく」+「思い切り全身を動かす」ことが非常に効果的ということです!
そのため「いろいろな想像力を働かせながら楽しく笑い、そして全身を思い切り動かすこと」が前頭葉を発達させるために非常に有効であるということです。
どれみのびじょんではお子さんが楽しく遊び活動していく中で成長の土台を築いていけるような支援にてつまづきの克服や才能開花のお手伝いを行なっていきます!
まとめ
今回は前頭葉機能とADHDとの関連性が高いとの投稿をさせていただきました。
しかしだからと言って前頭葉機能だけが原因ではないと私自身は確信しております。
お子さんの発達支援を行うにあたっては視機能や感覚統合や原始反射、療育整体などの観点や人間性や心理面なども含めてサポートしていく必要があると思います。
どれみのびじょんではお子さんを1人の人間として接していき何が出来るかを常に考えていきたいと思っております。
・ぜひ体験レッスンにいらしてください!
発達に不安があるお子さんや特技や習い事などをもっともっと上手くなっていきたいお子さんなどスタジオでお待ちしております!