【小学生】原始反射・感覚統合・ビジョントレーニングとは?座れない・字が苦手の原因を解説

【保護者必見】理学療法士がご家庭でもできるエクササイズをわかりやすく解説します。

こんにちは。
横浜市鶴見区で、子どもの「見る力」「感じる力」「身体の使い方」を育てるサポートをしている
どれみのびじょん の石川です。

小学生のお子さんで、こんなお悩みはありませんか?

  • 授業中、姿勢がすぐ崩れてしまう
  • 字を書くとすぐ疲れる
  • 板書が苦手
  • 音や服の感触に敏感
  • ボール遊びや体育が苦手
  • 落ち着きがなく、いつも動いている
  • 読み飛ばしや書き間違いが多い

こうした困りごとは、単に
「集中力がない」
「やる気がない」
「運動が苦手」
だけでは説明できないことがあります。

その背景には、

  • 感覚統合
  • 原始反射
  • ビジョントレーニング
  • 姿勢や身体の使い方
  • 目と手の連携

などが関係している場合があります。

この記事では、小学生の保護者の方に向けて、
感覚統合・原始反射・ビジョントレーニングの違いを、理学療法士の視点からわかりやすく解説します。

どれみのびじょんでは、
「できないこと」ではなく、

「何が難しくて困っているのか」

を一緒に見つけることを大切にしています。

この記事でわかること

  • 感覚統合・原始反射・ビジョントレーニングの違い
  • 小学生の困りごとの背景にある身体と感覚の問題
  • 家庭でできる安全な遊び・トレーニング
  • 眼科や専門機関に相談した方がよいサイン
  • どれみのびじょんで大切にしている支援の考え方

目次


感覚統合・原始反射・ビジョントレーニングは同じもの?

最近はSNSやインターネットでも、

「原始反射が残っているかもしれません」
「感覚統合が必要です」
「ビジョントレーニングをすると良いですよ」

という言葉を見かけることが増えました。

ただ、保護者の方からすると、

「結局、うちの子には何が必要なんでしょうか?」

と混乱してしまうことも多いと思います。

大切なのは、これらを一緒くたにしないことです。

項目主に見るもの関係しやすい困りごと
感覚統合感覚情報の整理落ち着かない、感覚過敏、不器用
原始反射身体の使い方の土台姿勢が崩れる、左右差、疲れやすい
ビジョントレーニング見る力・目の使い方板書が苦手、読み飛ばし、目の疲れ

どれも大切ですが、目的は違います。

そして本当に大切なのは、

「どの理論が正しいか」ではなく、 お子さんが日常のどの場面で困っているかを見ること

です。


「困りごと」から考えることが大切です

例えば、授業中に椅子に座っていられない子がいたとします。

大人から見ると、

  • 集中力がない
  • 落ち着きがない
  • 姿勢が悪い

と見えるかもしれません。

でも、身体の視点から見ると違うことがあります。

座っていられない背景にあるかもしれないこと

  • 体幹の力が弱く、姿勢保持が大変
  • バランス感覚が不安定
  • 身体を動かすことで安心している
  • 感覚刺激を求めている
  • 足裏やお尻の感覚が入りにくい
  • 目で見る情報が多く、疲れている

つまり、
「座らない」のではなく、「座り続けるための土台がまだ育ち途中」
ということもあります。

感覚統合とは?

感覚統合とは、身体に入ってくるさまざまな感覚を脳が整理して、行動につなげる仕組みです。

感覚というと、

  • 見る
  • 聞く
  • 触る
  • 味わう
  • においを感じる

といった五感を思い浮かべる方が多いと思います。

でも、子どもの発達ではそれ以外にも大切な感覚があります。

小学生に特に関係しやすい3つの感覚

1. 前庭感覚

前庭感覚は、バランスや揺れ、スピードを感じる感覚です。

前庭感覚が関係する困りごとには、次のようなものがあります。

  • 姿勢が崩れやすい
  • 乗り物酔いしやすい
  • ブランコや回転遊びを怖がる
  • 逆に、ずっと動き回っていたい
  • 体育の動きがぎこちない

2. 固有受容覚

固有受容覚は、筋肉や関節から入る感覚です。
「自分の身体がどこにあるか」「どれくらい力を入れているか」を感じる力です。

固有受容覚が関係する困りごとには、次のようなものがあります。

  • 字が濃すぎる、または薄すぎる
  • 物をよく落とす
  • 友だちにぶつかりやすい
  • 力加減が難しい
  • 姿勢がぐにゃっと崩れやすい


3. 触覚

触覚は、皮膚で感じる感覚です。

触覚が敏感すぎたり、逆に感じにくかったりすると、

  • 服のタグを嫌がる
  • 靴下の縫い目が気になる
  • 髪を切るのを嫌がる
  • 人に触られるのが苦手
  • 手が汚れる遊びを嫌がる

といった困りごとにつながることがあります。


小学生に特に関係しやすい3つの感覚

1. 前庭感覚

前庭感覚は、バランスや揺れ、スピードを感じる感覚です。

前庭感覚が関係する困りごとには、次のようなものがあります。

  • 姿勢が崩れやすい
  • 乗り物酔いしやすい
  • ブランコや回転遊びを怖がる
  • 逆に、ずっと動き回っていたい
  • 体育の動きがぎこちない

2. 固有受容覚

固有受容覚は、筋肉や関節から入る感覚です。
「自分の身体がどこにあるか」「どれくらい力を入れているか」を感じる力です。

固有受容覚が関係する困りごとには、次のようなものがあります。

  • 字が濃すぎる、または薄すぎる
  • 物をよく落とす
  • 友だちにぶつかりやすい
  • 力加減が難しい
  • 姿勢がぐにゃっと崩れやすい

3. 触覚

触覚は、皮膚で感じる感覚です。

触覚が敏感すぎたり、逆に感じにくかったりすると、

  • 服のタグを嫌がる
  • 靴下の縫い目が気になる
  • 髪を切るのを嫌がる
  • 人に触られるのが苦手
  • 手が汚れる遊びを嫌がる

といった困りごとにつながることがあります。



原始反射とは?

原始反射とは、生まれたばかりの赤ちゃんに見られる自動的な反応です。

たとえば、

  • 大きな音で手足がビクッと広がる
  • 頭の向きに合わせて手足が動く
  • 口の近くに触れるとそちらを向く

といった反応です。

これらは赤ちゃんの時期には大切な働きですが、成長とともに少しずつ目立たなくなっていきます。


小学生で原始反射を見るときの注意点

小学生で「原始反射が残っている」と言われると、不安になる保護者の方も多いと思います。

でも、ここはとても大切です。

原始反射は診断名ではありません。 あくまで身体の使い方を考えるための見立て材料です。

「原始反射が残っている=発達障害」
ではありません。

どれみのびじょんでは、原始反射だけを見るのではなく、

  • 姿勢
  • バランス
  • 左右の動き
  • 目の使い方
  • 手足の協調
  • 感覚の入り方

を総合的に見ています。


原始反射が関係しているかもしれない姿

例えば、次のような様子が見られることがあります。

  • 座っていると身体がねじれる
  • 書くときに顔が極端に近い
  • 片手で紙を押さえるのが苦手
  • 四つ這いがぎこちない
  • 左右交互の動きが苦手
  • ボールを投げる、受ける動きが苦手

ただし、これらがあるからといって、すぐに原始反射だけが原因とは考えません。

大切なのは、

「どんな動きが苦手なのか」 「どの場面で困っているのか」 「生活にどれくらい影響しているのか」

を丁寧に見ることです。

ビジョントレーニングとは?

ビジョントレーニングは、単なる視力回復トレーニングではありません。

見る力には、いくつかの種類があります。

見る力に含まれるもの

  • 視力
  • 目で追う力
  • 両目を合わせる力
  • ピントを合わせる力
  • 見たものを理解する力
  • 目と手を連動させる力

小学生では、特に学習場面で大きく関係します。


見る力が関係しやすい困りごと

次のような様子がある場合、見る力の課題が隠れていることがあります。

  • 板書が遅い
  • 行を読み飛ばす
  • 読んでいる場所がわからなくなる
  • 文字をよく書き間違える
  • 本を読むとすぐ疲れる
  • 目をこする
  • 片目をつぶって見る
  • 顔を近づけて書く
  • ボールをキャッチするのが苦手

ただし、ここでも注意が必要です。

ビジョントレーニングだけで、すべての読み書きの困りごとが解決するわけではありません。

視力や斜視、両眼視の問題がある場合は、まず眼科や視能訓練士の評価が大切です。


どれみのびじょんで大切にしている支援の考え方

どれみのびじょんでは、

「この子は感覚統合だけ」
「この子は原始反射だけ」
「この子は見る力だけ」

という見方はしません。

なぜなら、子どもの困りごとは重なり合っていることが多いからです。

例えば「字が苦手」という相談でも、

  • 姿勢が崩れている
  • 目で文字を追いにくい
  • 手指の力加減が難しい
  • 感覚刺激に疲れている
  • 書く前から苦手意識が強い

というように、いくつもの要素が関係していることがあります。

だからこそ、どれみのびじょんでは、

見る・感じる・動くをつなげる支援

を大切にしています。

また、看護師である妻と、理学療法士である私が一緒に関わることで、身体面だけでなく、生活リズムや安心感、保護者の不安にも寄り添ったサポートを心がけています。



家庭でできる安全なトレーニング

家庭で行う場合は、難しいトレーニングよりも、短時間で楽しくできる遊びがおすすめです。

目安は、

1回3〜5分。 嫌がらない範囲で、楽しく終わること。

です。


1. くま歩き

やり方

両手・両足を床につけて、お尻を少し上げた姿勢で歩きます。

期待できること

  • 体幹の安定
  • 肩まわりの安定
  • 左右の協調
  • 固有受容覚への刺激

ポイント

競争にすると盛り上がりますが、速さよりも丁寧さを大切にしましょう。


2. 壁押し

やり方

壁に両手をついて、10秒間ゆっくり押します。
これを3回ほど行います。

期待できること

  • 力加減の調整
  • 身体の落ち着き
  • 宿題前の切り替え

ポイント

息を止めないようにします。
「壁を倒すぞ!」ではなく、「じわーっと押す」イメージです。


3. 風船キャッチ

やり方

風船を落とさないようにキャッチします。
慣れてきたら、右手だけ・左手だけ・両手交互などに変えてみましょう。

期待できること

  • 目で追う力
  • 手と目の協応
  • 距離感
  • タイミング

ポイント

ボールよりも風船の方がゆっくり動くので、苦手な子にも取り入れやすいです。


4. クロスタッチ

やり方

右ひじで左ひざをタッチ。
次に左ひじで右ひざをタッチ。
これを交互に行います。

期待できること

  • 左右の連携
  • リズム
  • 身体の中心を意識する力

ポイント

速くやる必要はありません。
「ゆっくり・大きく・リズムよく」が大切です。


5. 迷路・なぞり書き

やり方

宿題前に、簡単な迷路や太い線のなぞり書きを3分ほど行います。

期待できること

  • 書く前の準備
  • 目と手の連携
  • 鉛筆操作
  • 集中の入り口づくり

ポイント

いきなり漢字練習に入るよりも、身体と目の準備をしてから取り組むとスムーズな子もいます。

ケース別アドバイス

ケース1:落ち着きがなく、座っていられない

考えられる背景

  • 姿勢保持が大変
  • 感覚刺激を求めている
  • 身体を動かすことで安心している
  • 座面や足裏の感覚が入りにくい

家庭でできる工夫

  • 宿題前に壁押しをする
  • 重めの本を運ぶお手伝いをする
  • 足が床につく椅子にする
  • 5分ごとに短い休憩を入れる

声かけ例

「ちゃんと座りなさい」
ではなく、
「足を床にペタッとしてみよう」
「先に壁押ししてから宿題にしよう」

の方が伝わりやすいことがあります。


ケース2:字を書くのが苦手

考えられる背景

  • 姿勢が安定しない
  • 目と手の連携が苦手
  • 鉛筆の力加減が難しい
  • 書くこと自体に苦手意識がある

家庭でできる工夫

  • 宿題前に迷路をする
  • 太い線からなぞる
  • 机と椅子の高さを調整する
  • 一度に書く量を減らす

声かけ例

「もっときれいに書いて」
ではなく、
「まずは一文字だけ丁寧に書いてみよう」
「姿勢を整えてから始めよう」

がよいです。


ケース3:読むとすぐ疲れる

考えられる背景

  • 目で追う力が弱い
  • 両目を合わせる力が不安定
  • 文字が密集して見えにくい
  • 視覚情報が多くて疲れる

家庭でできる工夫

  • 読む範囲を紙で隠す
  • 行間の広い教材を使う
  • 10分読んだら休憩する
  • 目の疲れや頭痛がある場合は眼科へ相談する

注意点

片目をつぶる、二重に見える、頭痛が続く場合は、家庭トレーニングより先に専門機関へ相談しましょう。


ケース4:音や服の感触に敏感

考えられる背景

  • 感覚が入りすぎて疲れている
  • 予測できない刺激が苦手
  • 安心できる刺激が少ない

家庭でできる工夫

  • 服のタグを取る
  • 苦手な音がある場所ではイヤーマフを使う
  • 予定を事前に伝える
  • 安心できる場所を作る

声かけ例

「気にしすぎ」
ではなく、
「その音がつらかったんだね」
「少し静かな場所に行こうか」

と受け止めることが大切です。



保護者の声・変化事例

事例1:宿題前に動く時間を入れたケース

宿題になるとすぐに姿勢が崩れ、途中で泣いてしまうお子さんがいました。

最初は「勉強が嫌いなのかな」と思われていましたが、実際には座る姿勢を保つこと自体にかなりエネルギーを使っている様子がありました。

そこで、宿題前に

  • 壁押し
  • くま歩き
  • 迷路

を数分だけ取り入れました。

すると保護者の方から、

「前より机に向かうまでがスムーズになりました」
「全部できる日ばかりではないけれど、親のイライラが減りました」

という声をいただきました。


事例2:読むことが苦手だったケース

本読みになると行を飛ばしてしまい、何度も読み直して疲れていたお子さんがいました。

見る力のチェックを行うと、目で追う力や視線の移動に苦手さが見られました。

そこで、

  • 読む行だけ見えるようにする
  • 文字量を減らす
  • 風船キャッチで目と手の連携を育てる
  • 必要に応じて眼科相談も提案する

という形で進めました。

保護者の方からは、

「読むことを嫌がる理由が少しわかりました」
「無理に読ませるだけではなかったんですね」

という感想をいただきました。


受診・相談をおすすめするサイン

次のような様子がある場合は、家庭だけで抱え込まず、専門機関への相談をおすすめします。

眼科相談をおすすめするサイン

  • 片目をつぶって見る
  • 目が寄る
  • 二重に見える
  • 頭痛や目の痛みが続く
  • 極端に顔を近づけて読む

小児科・小児神経科などに相談したいサイン

  • 急に歩き方が変わった
  • 片側だけ極端に使いにくい
  • 言葉や運動が急に後退した
  • 強いふらつきがある

発達相談をおすすめするサイン

保護者の負担が大きい

学校生活に大きな支障がある

家庭でも強いパニックが続く

本人が強い困り感を訴えている


よくある質問

Q. 感覚統合と原始反射は同じですか?

いいえ、違います。

感覚統合は、感覚情報を整理して行動につなげる仕組みです。
原始反射は、赤ちゃんの時期に見られる反射が、身体の使い方にどう影響しているかを見る視点です。


Q. 原始反射エクササイズで発達障害は治りますか?

「治る」とは言えません。

原始反射は診断名ではなく、身体の使い方を考えるための見立て材料です。
どれみのびじょんでは、運動・感覚・視覚・生活面を総合的に見ながら支援しています。


Q. ビジョントレーニングで読み書きは改善しますか?

見る力の課題がある場合、読み書きの負担が軽くなることはあります。

ただし、視力や斜視、両眼視の問題がある場合は、まず眼科や視能訓練士による評価が大切です。
また、ビジョントレーニングだけで学習障害が治るわけではありません。


Q. 家庭での遊びだけで十分ですか?

家庭での遊びはとても大切です。

ただし、困りごとが強い場合や、学校生活に大きく影響している場合は、専門家と一緒に見立てることで支援が進みやすくなります。

まとめ

小学生の

  • 座っていられない
  • 字が苦手
  • 読むと疲れる
  • 感覚に敏感
  • 体育が苦手

といった困りごとは、本人の努力不足ではないことがあります。

その背景には、

  • 感覚統合
  • 原始反射
  • ビジョントレーニング
  • 姿勢
  • 身体の使い方
  • 目と手の連携

などが関係しているかもしれません。

大切なのは、

「できない」と決めつけることではなく、 どこで困っているのかを一緒に見つけること。

どれみのびじょんでは、
看護師と理学療法士の夫婦で、子どもたちの「見る・感じる・動く」をつなげる支援を行っています。

お子さんの困りごとには、必ず理由があります。

一緒に、答え合わせをしていきましょう。


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