小学生の落ち着きにくさが気になる保護者の方へ
小学生の
「落ち着きがない」のはなぜ?
座っていることが難しい。
すぐに席を立ってしまう。
手や足をいつも動かしている。
このような様子が続くと、保護者の方は 「どうしてじっとしていられないのだろう」 「何度注意しても変わらない」 と悩んでしまうことがあります。
しかし、落ち着きにくさは、性格やしつけだけの問題とは限りません。
姿勢を保つことの難しさや、感覚の受け取り方、見る力、活動の見通しなどが関係している場合があります。
このページでは、小学生が「落ち着きがない」と見える背景を、身体・感覚・見る力の視点から分かりやすくお伝えします。
こんな様子はありませんか?
「落ち着きがない」と感じる
よくある場面
✓ 授業中や食事中に、すぐ席を立ってしまう
✓ 座っていても、手や足をいつも動かしている
✓ 周囲の音や動きが気になり、すぐ振り向く
✓ 順番を待つことが苦手で、先に動いてしまう
✓ 話を最後まで聞く前に、動き始めてしまう
✓ 家では動き回り、じっと遊ぶことが少ない
このような行動だけを見ると、 「ふざけている」 「話を聞いていない」 「我慢が足りない」 と感じてしまうことがあります。
けれども、お子さま自身も、身体や感覚をうまく調整できず、落ち着こうとしても難しい状態なのかもしれません。
行動だけで判断しないことが大切です
「落ち着きがない」と見える行動には
理由があるかもしれません
お子さまが何度も席を立ったり、身体を動かし続けたりしていると、周囲からは「落ち着きがない」と見えることがあります。
しかし、その行動は単なるわがままではなく、身体を安定させるために動いていたり、必要な刺激を自分で補おうとしていたりする可能性があります。
「動かないと落ち着かない」
「刺激が少ないと集中しにくい」
そのような身体や感覚の状態が、行動として表れていることがあります。
また、周囲の音や人の動きが気になりやすい、目の前の情報を整理しにくい、次に何をするのか分かりにくいといったことも、落ち着きにくさにつながります。
大切なのは、行動だけを止めようとするのではなく、 「なぜこの子は動く必要があるのだろう」 と背景を考えることです。
落ち着きにくさの背景①
姿勢や身体を
安定させにくい
椅子に座り続けるためには、背中やお腹、骨盤まわりなど、身体を支えるチカラが必要です。
身体を安定させにくいお子さまは、同じ姿勢を保つことに多くのエネルギーを使います。そのため、椅子の上でもぞもぞ動いたり、机に寄りかかったり、立ち上がったりすることがあります。
✓ 椅子に浅く座る
✓ 机に身体を預ける
✓ 足を頻繁に組み替える
✓ 床に足がつかず揺れる
このような場合、本人はふざけて動いているのではなく、身体を楽に保つ位置を探している可能性があります。
まずは「じっとしなさい」と注意する前に、足が床についているか、椅子や机の高さが合っているか、無理なく座れているかを確認することが大切です。
落ち着きにくさの背景②
必要な感覚を求めて
身体を動かしている
私たちは、身体を動かしたり、筋肉や関節に力を入れたりすることで、自分の身体の位置や動きを感じ取っています。
お子さまによっては、このような感覚を受け取りにくく、身体を動かすことで必要な刺激を補おうとすることがあります。
動くことで、身体の状態を確かめたり、
気持ちを落ち着かせたりしていることがあります
✓ 椅子を揺らす
✓ 足をバタバタ動かす
✓ 物を強く握る
✓ 人や物にぶつかりやすい
✓ ジャンプや回転を好む
✓ 動きを止めると不安定になる
一方で、音や光、人の声、周囲の動きなどを強く受け取りすぎることで、落ち着かなくなるお子さまもいます。
教室や集団の中では、さまざまな刺激が同時に入ってきます。そのため、刺激を整理することに疲れ、席を立ったり、その場から離れたりすることがあります。
大切なのは、動きをすべて止めることではありません。
お子さまがどのような刺激を求めているのか、反対にどの刺激が負担になっているのかを見つけ、過ごしやすい環境を整えることが大切です。
落ち着きにくさの背景③
見ることや周囲の情報整理に
負担がかかっている
授業中や宿題の場面では、黒板や教科書を見たり、先生の動きを追ったり、必要な情報を探したりする力が求められます。
見たい場所に目を向け続けることや、たくさんの情報の中から必要なものを選ぶことが苦手な場合、目や頭が疲れやすくなります。
✓ 黒板を見続けることが難しい
✓ 周りの人の動きに目が向きやすい
✓ 教科書の読む場所を見失いやすい
✓ 机の上の物が気になりやすい
見ることに負担がかかると、顔をそらす、姿勢を変える、席を立つといった行動につながることがあります。
「見ていない」「集中していない」と決めつけるのではなく、見続けることがつらくなっていないかを考えることも大切です。
落ち着きにくさの背景④
指示や活動の見通しを
持ちにくい
落ち着いて行動するためには、「今は何をする時間なのか」「次に何をすればよいのか」を理解しておくことも大切です。
しかし、長い説明を聞き取ることや、複数の指示を覚えて順番に行うことが難しい場合、何をすればよいのか分からなくなり、先に動いたり、その場を離れたりすることがあります。
✓ 説明の途中で動き始める
✓ 次の活動まで待つことが難しい
✓ 複数の指示があると混乱する
✓ 予定の変更で落ち着かなくなる
「待てない」のではなく、
「どのくらい待つのか分からない」
こともあります
特に、終わりの時間が見えない活動や、急な予定変更がある場面では、不安が大きくなりやすくなります。
また、「あと少し」「ちゃんと待って」「次の準備をして」といった曖昧な言葉は、お子さまによって受け取り方が異なります。
指示は短く一つずつ伝え、「これが終わったら休憩」「時計の針がここまで来たら終わり」のように、見て分かる形で示すことが役立ちます。
活動の始まりと終わりが分かると、お子さまは安心して取り組みやすくなり、落ち着いた行動につながることがあります。
行動を止める前に考えたいこと
叱るだけでは
改善しにくい理由
お子さまが席を立ったり、手足を動かしたりしていると、つい「じっとしなさい」「ちゃんと話を聞きなさい」と注意したくなることがあります。
しかし、落ち着きにくさの背景に身体や感覚、見ることの負担、見通しの持ちにくさがある場合、注意を受けただけでは、その難しさは解消されません。
本人も「落ち着こう」としているのに、
うまくできないことがあります
何度も注意されることで、お子さまが「自分はいつも怒られる」「どうせうまくできない」と感じてしまうこともあります。
すると、不安や緊張が高まり、かえって身体を動かすことが増えたり、活動から離れたりする場合があります。
大切なのは、すべての行動を我慢させることではなく、お子さまが落ち着きやすくなる方法を一緒に見つけることです。
注意する回数を増やすよりも、身体を動かす時間を設ける、刺激を減らす、指示を短くするなど、行動の背景に合った工夫が役立ちます。
声をかけるときは
「動かないで」ではなく、
「足を床につけよう」
「ちゃんとして」ではなく、
「まずノートを開こう」
このように、してほしい行動を具体的に伝えると、お子さまも次の行動を理解しやすくなります。
どれみのびじょんの支援
落ち着かせるのではなく
落ち着きやすい状態を育てます
どれみのびじょんでは、「落ち着きがない」という行動だけを見て、無理に止めることはしません。
姿勢を保つこと、身体を思いどおりに動かすこと、必要な感覚を受け取ること、目の前の情報を整理することなど、お子さまがどこで頑張っているのかを丁寧に確認します。
お子さまの発達に合わせて
必要なチカラを順番に育てていきます
① 身体を安定させる
② 動きや感覚を調整する
③ 見る力や情報整理を育てる
④ 集中や落ち着いた行動につなげる
レッスンでは、運動療法や感覚統合あそび、原始反射へのアプローチ、ビジョントレーニング、療育整体などを、お子さまの状態に合わせて組み合わせます。
運動療法
全身を動かし、姿勢や動きの調整を促します。
感覚統合あそび
必要な感覚を遊びながら受け取りやすくします。
ビジョントレーニング
見る・追う・探すチカラを育てます。
療育整体
身体を整え、動きやすく安心しやすい状態を促します。
一人ひとり、落ち着きにくさの理由は異なります。
その子に合った方法で「できた」「少し待てた」「最後まで取り組めた」という経験を積み重ね、自信と落ち着いた行動につなげていきます。
💡 どれみポイント
「動いている=集中していない」
とは限りません
大人から見ると落ち着きがないように見えても、お子さまによっては、少し身体を動かしている方が話を聞きやすかったり、課題に取り組みやすかったりすることがあります。
大切なのは、動いているかどうかだけではなく、 話の内容を理解できているか、活動に参加できているか、困りごとにつながっているか を見ることです。
例えば、このように考えてみます
・足を動かしながらでも、先生の話を理解できている
・短い休憩を入れると、課題に戻ることができる
・手遊びをしながらの方が、最後まで座っていられる
このような場合は、すべての動きを止めるよりも、周囲の迷惑にならない方法で身体を動かせるように工夫した方が、落ち着いて過ごしやすくなることがあります。
「動きをなくすこと」を目標にするのではなく、その子が学びや生活に参加しやすい方法を探すことが大切です。
📝 おうちでどれみ
おうちでできる
落ち着きやすくする工夫
落ち着きにくさが気になるときは、長時間じっとする練習を繰り返すよりも、まずはお子さまが身体や気持ちを整えやすい環境をつくることが大切です。
① 座る前に身体を動かす
宿題や食事の前に、ジャンプ、壁押し、動物歩きなど、身体にしっかり力が入る遊びを取り入れてみましょう。短い時間でも、身体を動かしてから座ることで落ち着きやすくなることがあります。
② 足がつく環境をつくる
椅子に座ったときに足が床につかない場合は、足元に台や箱を置いてみます。足裏が安定すると、身体を支えやすくなり、上半身の動きが減ることがあります。
③ やることを一つずつ伝える
「宿題をして、終わったら片づけて、明日の準備をしてね」とまとめて伝えるのではなく、「まずノートを出そう」のように一つずつ伝えます。終わってから次の行動を伝えると、混乱しにくくなります。
④ 終わりを見えるようにする
タイマーや時計、課題の量を使って、「ここまで終わったら休憩」と具体的に示します。終わりが分かると、不安が減り、取り組みやすくなることがあります。
⑤ 短い時間から始める
最初から長く座ることを目指す必要はありません。まずは5分、次は7分というように、お子さまが無理なく取り組める時間から始め、「できた」という経験を増やしていきます。
うまくいかない日があっても、練習不足とは限りません。疲れや眠さ、学校で受けた刺激の多さなどによっても、落ち着きやすさは変わります。
できなかったことよりも、「今日は3分座れた」「声をかけると戻れた」といった小さな変化に目を向けてみてください。
😊 保護者の皆さまへ
「落ち着きがない」と
ご自身を責めないでください
何度伝えても席を立つ、話の途中で動き始める、家の中でも動き続ける。そのような姿が続くと、保護者の方も疲れ、「自分の関わり方が悪いのでは」と悩んでしまうことがあります。
けれども、落ち着きにくさは、しつけが足りないから起こるものとは限りません。お子さまの身体や感覚、見る力、指示の受け取り方など、さまざまな要素が重なっていることがあります。
保護者の方が頑張っていないのでも、
お子さまが怠けているのでもありません
行動には、その子なりの理由があります。理由が分かると、注意や我慢を増やすのではなく、その子が過ごしやすくなる方法を考えられるようになります。
毎日すべてをうまく整える必要はありません。保護者の方にも余裕がない日があって当然です。まずは一つだけ、「座る前に少し動く」「指示を一つにする」など、取り入れやすい工夫から始めてみてください。
お子さまの落ち着きにくさが、学校生活や家庭生活での困りごとにつながっている場合は、ご家庭だけで抱え込まなくても大丈夫です。
身体や感覚、見る力などを丁寧に確認することで、その子に合った関わり方や支援の方向が見つかることがあります。
よくあるご質問
小学生の「落ち着きがない」に関する
よくある質問
Q.落ち着きがないのは、しつけの問題でしょうか?
Q.動き回っていても、本人は話を聞いているのでしょうか?
Q.家では落ち着きがないのに、学校では問題ないようです。
Q.落ち着きのなさは、成長すると自然に改善しますか?
Q.学校には、どのような配慮をお願いできますか?
Q.どのような場合に相談した方がよいでしょうか?
落ち着きにくさの現れ方や理由は、一人ひとり異なります。気になる様子が続くときは、行動だけでなく、身体・感覚・見る力・環境との関係を一緒に確認していくことが大切です。
関連するお子さまの困りごと
落ち着きにくさと一緒に
見られることがあります
「落ち着きがない」という様子の背景には、姿勢の保ちにくさや疲れやすさ、集中の続きにくさなど、ほかの困りごとが関係していることがあります。
困りごとは一つだけでなく、いくつかが重なっていることも少なくありません。
お子さまの様子に近いページもあわせてご覧いただくことで、背景を考えるヒントが見つかることがあります。
お子さまの落ち着きにくさが気になる方へ
行動だけでなく、
その背景を一緒に見つけませんか?
どれみのびじょんでは、姿勢や身体の使い方、感覚の受け取り方、見る力などを確認しながら、お子さまが落ち着いて活動に参加しやすくなる方法を考えていきます。
ご相談だけでも大丈夫です。
無理な勧誘はありませんので、安心してお問い合わせください。
